町田康を知りたいなら外せない作品達

 現代作家の中でも特に強烈な個性を持っている作家の一人に町田康がいます。彼の独特で強烈な作品は、文壇に大きな衝撃を与え、そして多くのフォロワーを生んでいます。純文学が衰退し始めた時代に突如登場し、その世界で大爆発を起こした彼の作品に実際に触れてみましょう。彼の作品は、実際に触れてみなければその魅力を知ることはできません。

くっすん大黒

ビル

 町田康の記念すべきデビュー作である本作ですが、すでに彼の作品は完成しています。元々パンク歌手として活動していたという経歴からは想像もすることのできない濃厚な純文学作品となっており、町田康という名前を多くの文学ファンに知らしめた作品となっています。

つるつるの壺

 エッセイ集であるのか短編集であるのかの判断が難しい作品ですが、現在の文体が完成した作品として、とても価値のある一冊となっています。前作のくっすん大黒ほどの濃厚さはありませんが、その分読みやすい作品となっているため、町田作品の入門書としてもおすすめすることができます。

きれぎれ

 彼の芥川賞受賞作となった作品です。独特の文体はそのままに、さらに濃厚さを増した世界観が病みつきになってしまいます。まず、一度読んだだけではこの深い世界観を把握することは決してできないでしょう。町田作品の入門には向きませんが、ある程度彼の作品に馴染むことができれば、かならず読んでおきたい作品であるといえるでしょう。

実録・外道の条件

 短編集ですが、濃度がとても高い作品群となっています。前述のきれぎれとほぼ同時期に書かれた作品ですが、全く異なった世界観となっています。きれぎれに比べれば読みやすい作品となっていますが、とても濃度が高いため、読み解くにはすこし時間がかかってしまうかもしれません。しかし、名作ですので、絶対に外すことのできない一冊です。

告白

 彼の作品では珍しく、実話をベースとした作品になっています。事実を忠実に記すためにいつもの町田節はそれほど楽しめませんが、彼の視点から描く世界観をより直接的に知ることのできる貴重な作品となっています。

 彼も多作な作家の一人ですので、活動期間はそれほど長くないものの、とても多くの作品を発表しています。これらの作品を呼んでハマることができれば、きっとすべての作品を読んでみたくなってしまうでしょう。