イギリスの中流社会を描いた『高慢と偏見』

 「高慢と偏見」は1813年、イギリスの女性作家ジェイン・オースティンによって書かれた小説です。これまでに何度も映像化されてきました。1995年にジェニファー・イーリーとコリン・ファース主演で放送されたテレビドラマや、2005年に「プライドと偏見」というタイトルで公開されたキーラ・ナイトレイ主演の映画などが有名です。パロディ作品も多く、映画「ブリジット・ジョーンズの日記」はこの作品をベースに作られています。

「高慢と偏見」あらすじ

ビル

 主人公・エリザベスが暮らすベネット家は女ばかりの5人姉妹で、父親が亡くなれば遺産は遠縁の親戚に渡ってしまうという状況でした。当時のイギリスでは、たとえ血縁であっても女の人が財産を相続することはできなかったからです。母親は娘達をお金持ちと結婚させようと躍起になっていました。

そんな中、資産家のビングリーとダーシーが町にやってきます。ビングリーはエリザベスの姉で町一番の美人のジェインとすぐに仲良くなりますが、エリザベスは高慢な性格のダーシーと険悪な関係になってしまいます。しばらくして軍人で感じの良いウィカムという男性が現れ、エリザベスは惹かれます。ウィカムからダーシーの悪い噂を聞いたエリザベスはますます反感を強めました。ダーシーに強い偏見を持っていたエリザベスですが、妹が問題を起こしたときに裏でダーシーが収めてくれていたことを知ります。誤解が解けて急速に打ち解けた二人は婚約することになりました。エリザベスと同じく彼に偏見を持っていた彼女の家族も、彼が本当は誠実な人物だと知ると態度を変えて二人の結婚を喜びました。

「高慢と偏見」は19世紀のイギリスの話ですが、現代にもいるようなリアルな登場人物が魅力です。テンポよく話が進んですらすら読めるので、長いですが敬遠せずに読んでみてください。

6つの長編を残したジェイン・オースティン

 ジェインは1775年、イギリスのハンプシャー州スティーヴントン村に生まれました。父親は牧師で、6人の兄弟と1人の姉がいました。10歳になると、レディング修道院女子寄宿学校に入り、当時の同年代の少女たちに比べて恵まれた教育を受けて育ちます。14歳になると、早くも友人や家族に読ませるために小説を書き始めていたようです。その後、数々の名作を出版社に寄稿するようにます。ジェイン・オースティンは生涯で6つの長編小説を書きました。「高慢と偏見」の他には次のような小説があります。

・「エマ」 お金持ちで才色兼備のエマが友達の恋を応援しようとするけれど失敗してしまう話。
・「分別と多感」 冷静なエリナーと天真爛漫なマリアンの対象的な姉妹の話。
・「マンスフィールド・パーク」 貧しい家庭に生まれたファニーが親戚の家に引き取られて成長する話。
・「ノーサンガー・アビー」 17歳の読書好きな少女キャサリンが由緒あるお屋敷に出かけるけれど、本の読み過ぎで妄想からおかしなことになってしまう話。
・「説得」 過去に貧しさから父親が結婚を断ってしまった男性と28歳になったアンが再会する話。

どの小説も主人公が女性という点は同じですが、それぞれ違った性格で、しかも的確に描写されていることで有名です。舞台は似ているのに一つ一つ違った魅力のある小説になっています。ぜひ気になる作品を読んでみてください。