SF御三家のひとり、筒井康隆の変幻自在な小説

 小松左京、星新一と並び「SF御三家」と称される作家が筒井康隆です。SF小説をはじめ、痛快な社会風刺をメインにすえたものや純文学も執筆するなど、文学における活動の範囲はとても広く、実験的なものも数多くあります。

一時期は教科書にのった作品内の記述が問題となり削除され、断筆したこともありました。しかし現在は執筆を再開しており、以前よりもさらに豊かな作品を書いていますので、一度手にとり読んでみてはどうでしょうか。

多くのジャンルで実力を見せる多芸な作家!筒井康隆

ビル

 筒井康隆は1934年に生まれた、現代日本で有名な作家のひとりです。小説家としてだけでなく劇作家、俳優としても活動をしています。小説自体もSFものから純文学まで、幅広いジャンルのものを執筆しており、技術は確かなものです。

はじめの頃は純粋なSF作品を書いていましたが、徐々に作風は変化していき、さまざまな文体を用いた実験的作品を発表するようになりました。そして確実にファンを増やしていき、文豪として認められるようになったそうです。

さらに日本SF作家クラブの一員として日本SF大賞の創設にかかわったり、自らの劇団を立ち上げたりもしています。小説に限らず随筆や評論も書いており、雑誌の編集も行うなど驚くほど多様な仕事ができる人物です。

劇場化の回数は過去最高!?ジュブナイル小説『時をかける少女』

 彼の作品でもっとも知られているものと言えば『時をかける少女』でしょう。もともとは1967年に発表されたジュブナイル小説でしたが、ベストセラーとなって以後、ドラマや映画で映像化し多くの人々が知るところとなりました。

劇場映画化は4回もおこなわれており、小説を映像化したものとしては最高記録です。また、テレビドラマの原作としても4回も使われるという愛されぶりで、同作品がどれほど人々のこころをつかむ作品だったかがわかります。

特に2006年に公開されたアニメ映画の『時をかける少女』は連日立ち見が出るほどのにぎわいを見せました。当初は21館での上映が予定されていたものの、口コミで話題が広がった結果、最終的には100館以上で上映されたそうです。

『時をかける少女』がすべてじゃない!多彩な作品郡に触れてみよう

 ただ、上記の作品は原作から約20年後を舞台とした物語であり、主人公やその他の登場人物も異なります。アニメは見たことがあるけど原作は知らないという方は一度読んで、どう違うのか確かめてみるといいでしょう。

また、基本的にはSFを題材にしたものを書いていますが、筒井康隆の作品は文体、ストーリーともに本当にいろいろなものがあり『時をかける少女』のような正統派のジュブナイル小説はほんの一部に過ぎません。

純文学も大衆文学も見事としか言いようのない作品ばかりで、書いている時期によって内容や表現もまったく違います。小説として楽しめるだけでなく、文学の奥深さも味わえますので、興味があれば一度読んでみてはどうでしょうか。