女流文学を読む

 女流作家といえば、誰を思い浮かべるでしょうか?エンターテイメント作家であればやはり宮部みゆきが一番人気です。しかし、純文学の世界になると、村田喜代子か柳美里に絞られてしまいます。ここでは、日本を代表する女流作家である村田喜代子と柳美里に注目してみましょう。

遅咲きの天才・村田喜代子

ビル

 彼女の作品の特徴は、幻想的でありながらリアルな描写で人の胸を衝いてしまう点でしょう。一見ほのぼのとした世界を描いているように見えますが、ところどころに読者をドキッとさせる描写が登場します。作品数はそれほど多くありませんが、妙にインパクトの残る作品を書いています。近年では大学の教授職などに就いているため執筆ペースは遅くなっていますが、日本を代表する女流作家の一人であることは間違いない事実でしょう。
・村田喜代子 - Wikipedia

性と死の作家・柳美里

 エッセイ集「命」シリーズの大ヒットで人気作家の仲間入りを果たした柳美里ですが、彼女の小説も素晴らしいものです。彼女の作品の特徴は生々しく描かれた性と死です。時には美化されてしまうこともあるこのテーマですが、決して美化することなく、淡々とリアルに描写しています。美しい日本語で綴られるこの描写に違和感を感じてしまう読者も少なくないでしょう。しかし、これが現実である、と突きつけられてしまいます。現代では数少ない本当の「力」を持った作家の一人であるといえるのではないでしょうか。近年では執筆のペースがやや遅くなっていますが、多くの作品を発表していますので、十分に柳美里の魅力に触れることができるのではないでしょうか。赤裸々に書かれたエッセイから、スキャンダラスな女性のイメージばかりが先行してしまいますが、真摯に文学を追求する作家の一人です。
・柳美里 - Wikipedia
・La Valse de Miri -- 柳美里オフィシャルサイト

 近年、純文学の世界でも女流作家が増えてきています。そんな若手作家たちの近現代におけるルーツを作ったのが村田喜代子と柳美里の二人であるといえるのではないでしょうか。